私の変わったもの:1

もう来ることもないだろうからと、大学の図書館に来た。

 

ここでは、大学1年生の時によくレポートを書いたり試験勉強をしに来たものだった。

私のお気に入りは2階の窓際の席。テニスコートのある方と工学部エリアのある方と2つあるが、両方好きだ。

 

特に人のいない時期の図書館ほど魅力的なものはない。人の気配が薄いほど、自分が澄んでゆく気持ちになる。外からの音も少なく、内側ではエアコンや人の動く音が響くだけ。一番大きく聞こえるのは自分の呼吸音だけという環境の中で、私はいつも、自分というものに自然と向き合っていたのだと思う。

 

 

………

大学生になってから、私は少し変わった。他の人にはどう見えているのかは分からないが、自分の中では割と大きく変化したと思っている。

 

少しわがままになった

男の子に対して積極的になった

サボることを覚えた

嫌われてもいいや〜と思うことが増えた

 

だいたいこんな感じ。高校生の頃とは逆だと思う。

私はいつも自分に自信がなかった。他の人は全員みんな何に関しても「正解」を選択できていると思っていた。

聴く音楽や持ち物、その時に発する言葉、その時にする表情…

 

私はいつも、自分が何か間違っているような気がしていた。何か気がかりになると自分を責めた。何も上手くできない自分が嫌だった。私の行動の中で正解なのは謙遜と自虐だった。

 

そんな私だったから、グループの中では意見を言わない、嫌なことを言われてもヘラヘラしている、自分が悪いと思い謝ることで場を収めようとする、そんな女の子だった。だからたぶん、周りの人に舐められていたのかもしれない。そして私も、そういうポジションを受け入れていた。プライドが傷つけられていることを無視して。

 

 

でも高校3年生の運動会以降から、そういう自分が嫌でたまらなくなっていた。他人にバカにされ続け、心がどんどん傷ついて小さくなっていくことに耐えられなくなったのだ。

しかし幸いにも、大学受験という学生ののめり込むべきものがあったので、私は弱い自分から目を背けるように、弱い自分の唯一の武器、唯一他人に馬鹿にされない武器としての勉強に心身共に入れ込んでいった。

 

そんな受験期の努力もあり、無事に第一志望である地元の国公立大学に受かった。

 

大学入学までの春休み。私にはやることがあった。

それは、おしゃれとお化粧の勉強だった。

 

私の自信のなさは、見た目からくるものもあった。多くて剛毛な髪の毛、青白い肌や目立つクマ、毛深い手足。

これらは自分が気にしているものでもあったし、高校時代に友人に馬鹿にされていた部分でもあった。

こんな身体が嫌で嫌でしょうがなかった。早くおしゃれでかわいい女の子になって見返してやりたかった。舐められるのは自分の内面にも問題があると分かっていたが、まずは見た目を変えて自信をつけるべきだと当時の私は判断した。

 

ファッションコーデアプリを毎日のように眺めたり、買い物に行っては安くてかわいい服を親におねだりしてたくさん買ってもらった。

ヘアアレンジも勉強して、編み込みができるまで何度も何度も練習した。

 

あの時の私の頑張りは、今思い返しても絶対に可愛くなりたいという気持ちでいっぱいだったと思う。

 

そういう頑張りもあってか、大学に入学して新入生生活を送る頃には、すっかり自分の見た目に自信がつき、同級生からはおしゃれだと言ってもらえるぐらいまでになった。

 

 

そして、私の変わったもう一つ、内面。

それは次の日記で書いていこうと思う。